本日、本の紹介week最終日となりました。
自分自身の勉強にもなるので、気が向いたらまたやりたいと思います。
最終日の本はこちら、『未来は決まっており、自分の意志など存在しない。 心理学的決定論』です。
結構前に買った本ですが、たしかこのタイトルに惹かれて買った気がします。
買った当時一度読んだだけだったので、改めて読み返してみました。
この本の惹かれたポイントはタイトルだけでなく、心理学、脳科学、仏教、哲学、アート、サブカルなど幅広いジャンルの例が示されていることです。
『我々の自由意志とは錯覚であり、幻想であるという事実』という筆者の持論を様々なジャンルのフィルターを通して紹介しています。
脳科学であれば、手首を好きなタイミングで曲げるというリベットの実験が紹介されています。
被験者には椅子に座ってもらい、頭に電極をつけ脳波を計測しながら、6秒以内に好きなタイミングで手首を曲げる、もしくは曲げないという課題を行ってもらいます。
被験者の前には2.56秒で一周する時計があり、『手首を曲げよう』と思った瞬間に時計がどこを指していたか覚えるよう依頼されていました。
結果、脳波は手首が動き始める0.55秒も前から出ていることがわかりました。
しかし『手首を曲げよう』と意志を持った瞬間は、手首の動きから0.35秒前でした。
脳が無意識に動く→動かそうという意志→手首が動く
動作までは、このような順番であることがわかりました。
この実験を行ったリベットは自由意志は否定しているが、自由否定は否定しておらず(『何かをしない』という自由はあるということ)、自由否定については賛否両論あるとのことでした。
このように、様々な観点から自由意志はないという筆者の考えが書かれています。
自由意志というテーマを、幅広いジャンルの観点で学べるので、共通点が見えやすく単純に勉強になります。
この分野でこう表現されていることは、この分野だとこう表現されているんだ、といった感じで違うジャンルの共通点がわかるようになることが楽しく、今後新しい情報に対しても共通点が探しやすくなるのではないでしょうか。
筆者は『自由意志は幻想だ』との主張ですが、あくまで筆者の考えに過ぎないので、こういう考え方もあるんだなというフラットな目線でこの本を読むことをおすすめします。
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