こう『バランス感覚』と文字で見ると、片足で立てるかどうかという身体能力的なバランス感覚のように見えますが、精神的なバランスについてです。
きっかけは今朝ヨガを受けていて、先生が『ヨガで体を痛めてしまう人は極端で、本当に体を動かしていなかったのに急に動かしたから痛めたか、頑張り屋さんでがんばってしまうから伸ばしすぎて痛めたか。頑張らないのもダメだけど、頑張りすぎるのも痛めちゃうからバランスが大切だよね』というお話しがありました。
これは身体の話かなと思いましたが、自分がどこまでできるのか知ることがひとつと、その上で自分が無理はしないけど、頑張れる範囲のなかでバランスととること、この2つは精神的なことともいえるのかなと思います。
私が最近特に意識していることは、ネガティブなことを考えてしまうときや動揺するときもありますが、すぐに認識してニュートラルな状態に戻れるように気を付けています。
学者であり起業家でありあのダボス会議にも出席したことがある田坂広志さんのお話しで印象深かったお話しがあります。
禅の修行をはじめてから日が浅い若者と禅の修行を長年続けておられる禅師が、禅を行い瞑想のような状態での脳波を測定し比べてみるという実験がありました。
どちらの方も禅をはじめるとスッと脳波が穏やかになりました。
若者も日が浅いとはいえ禅の修行をしているだけあり、ベテランの禅師との差はほとんどありませんでした。
ここからが実験で、大きな音を出してみました。周囲にも聞こえるくらいの大きな音です。
若者も長年修行を続けた禅師もどちらも脳波が乱れました。
しかし、違いはここからです。
長年修行している禅師はすぐに脳波が穏やかに戻ったのですが、若者の脳波は乱れたままなかなか元にもどりません。
長年修行を続けていても、何か起こった時に脳波が乱れることはありますが元に戻るのが早いのです。
人間ですので動揺しないということはありませんが、修行によりその後すぐ戻れるようになる、これが重要なことです。
このお話しでもわかるように、動揺しないように、落ち込まないように気を付けていたとしても、人間である限り無理です。
精神でもぐらっとしてもすぐに軸に立ち返れるようなバランス感覚、これが重要であると実感しました。